あの時に想い描いていた青い未来。
私たちはその延長線上に立ち今を生きている。
そしてこの場所からまた想い描く未来図。
希望と無限の可能性に満ちた
“未完成”をキーワードに展開する
MURRALとjurkが出会うきっかけになった
2019 Fall / Winter のグラフィック。
このグラフィックが今に至るコラボレーションの
未来図を作りあげてくれました。
BLUEPRINTというテーマで改めて再解釈したデザインを提案。
前回のコレクションは MURRALとjurk、それぞれの持っている色/個性をパレットの上に広げ表現するイメージを基に“Life is a palette”というテーマを掲げコレクションを発表しました。
jurkとのコラボレーションは毎回色を題材に発表しています。
今回のコレクションで選んだ色は青。
青にまつわる表現を探していた時に“BLUEPRINT”という言葉に出会いました。
“BLUEPRINT”には「未来図、設計図、未完成」という意味があります。
未完成ゆえの不安。でもそこにあるのは確かな期待と希望。
未完成だからこそ生まれる美しさを伝えたい。
そしてMURRALとjurkそれぞれの未来への希望の想いも込めて。
まだ縫製技術も持っていなかった頃にイメージだけで既存の洋服をリメイクした時です。
雑誌のスクラップや古本からイメージを膨らませて見よう見まねで作ったのを今でも覚えています。
出来上がったものは散々でしたが、初めてという経験はとても貴重で、一度知ってしまえば二度と訪れない感覚です。
そしてこの感覚や想いは今でも心の中に大切に保存しています。
今回の”BLUEPRINT”というコレクションはそんな体験や熱量を思い出しながらjurkと制作しました。
コレクションイメージが「ノルウェイの森」のシーズンだったため、映画のロケ地にもなった兵庫県の砥峰(とのみね)高原に実際足を運んで撮影した風景がグラフィックに落とし込まれています。
2月のことだったので積雪で車では山の麓までしか行けず、2,3時間山道を歩いて山頂の高原を目指しました。
道中の澄んでいる空気と心が洗われるような静寂感は今でも覚えています。
私は村松より100m程遅れて登っていましたが、山頂にさしかかる手前、村松のマフラーが道の端の方に落ちていて。。。
あ、落ちた。。。と本当に焦ったのも今ではいい思い出です。
思い出というか、毎日が青臭さの連続です。
例えば柄からデザインする場合、頭の中のフワっとしたイメージを私の場合はA3の紙にただ丸を描いてそこに線を1本1本ラフに描き足していくところから始まります。
具体的なものではなく本当に落書きのようなもの。
ひたすら描いては直してを繰り返して1つの柄が出来上がります。
色配色まで含めると、1ヶ月ほど制作に時間を費やす場合も。。。
一度出来上がった柄を実際にテストをしてみて、全くイメージと違うものになることもあります。
何事も一度で納得のいくものが出来上がることがベストかもしれませんが、
例え最終的に失敗したとしても試行錯誤するその過程の大切さも今回の“BLUEPRINT”のメッセージの1つと捉えています。
東京と名古屋、2拠点でトータルでヒトをデザインし、ヒトを創り続ける唯一無二の存在になります。
100%完成しているデザインよりも、未完成で少し引いているものは見てて気になったり、長く楽しめるデザインになるかなと思います。
今後そのデザインをブラッシュアップしていき、未来を追っていける可能性に満ちているように感じます。
まだショップをオープンする前にサロンのビジュアル用の衣装を探しているときに出会ったのが、このグラフィックのトップスでした。いくつかの媒体で事前に見たことはあったのですが、実際に目の当たりにして、今まで見たことがないデザインや生地への拘りなど、すごくときめいたのを今でもはっきり覚えています。
「まっすぐ素直で嘘がない。まだまだ成長できる、と自分を信じて突き進んでいる。」を私は青臭さと感じています。
今回で2回目のコレクションですが、テーマでもあるBLUEPRINT(未完成)のように、MURRALとjurkのそれぞれ持つ色が、交わるけど混ざりきらない、お互いの良さをしっかり出せたコレクションになったと思います。
孫悟空の緊箍児(きんこじ)に締め付けられて頭痛がしてもがき苦しむことですかね。
今だったらきっと頭痛薬を買うけど
なんとか破壊するようなことが青臭さ。