November , 2025

#4 "接吻"

Painting lace series

グスタフ・クリムトが1907年から1908年にかけて発表した絵画作品 "接吻"。

退廃的でゆらめく様な空間表現。
抱き合う2人の男女が立つのは崖の端で、煌びやかさと同時に、
どこか不安定な佇まいを描いています。

この絵画から心に受けた印象をMURRALのフィルターを通し、
ダイレクトに表現したいと思いました。

例えば、描かれている花は色彩のコントラストが広がり、
真っ当な美しさをというより、
本質の奥側に在るような美を讃えているようにも思えます。

そんな色彩の美しさを、刺繍レースの配色へと昇華。

黒は黒でも、セオリー通りの色合わせにするのではなく、
絶妙な色合わせに調整することにより新しく奥行きが生まれるのです。

"絵画にインスピレーション得て刺繍の図案へと落とし込む"

この原始的なデザインアプローチは、
図案設計をデザイナー関口の手で誕生させることによって表現可能なアプローチに思います。

有機的なモチーフと無機的なモチーフによって描かれる幾何学模様。

いわば自然的なモチーフと人工的なモチーフの表現は、
レースの柄配置に動きと流れをつけることで、
対比する2つのモチーフを融合することに成功しています。

"絵画を纏う"
そんな言葉が浮かび上がる
刺繍レースです。