2024 Spring / Summer Collection
“EUPHORIA”
夢をみた
忘れていた感情が心の断片に触れた
夢想の中で膨らみつづける
それはあやふやなままに広がりつづける
誰にも奪うことの出来ない聖域
どうかこの夢がこぼれてしまわぬように
どうかこの夢から覚めてしまわぬように
Runway Show Movie
Look
Behind the scene
今シーズンのテーマ”EUPHORIA"は、夢と現実の交わりから生まれる多幸感を映し出しています。
デザイナー村松祐輔が夢の中で父親と再会し、夢現の中で広がる大切で曖昧なひとときは、まるで目眩のように広がります。
そんな奇妙で幸福に溢れる景色から始まったストーリーを、デザイナー関口愛弓が独自のニードルワークやプリントに落とし込みます。
独自技術によって生み出されたフリンジ刺繍や、夢から滲み出るさまを表した氷染め、極彩色のカラーパレットなど、今までにないアプローチの幅を広げています。
ブランドのシグネチャーである刺繍レースのテキスタイルは、今シーズンはフリンジ刺繍として登場します
夢現の浮遊感をキーワードに、過去のコレクションで出会った花のモチーフすべてが入り乱れ、溢れるさまを刺繍レースから揺れる立体的なフリンジに投影します。
フリンジ部分は、糸のケバつきを抑えるため形状記憶加工をかけ、機械でスカラップ部分をカットした後にフリンジのカットを手作業で行います。
フリンジカットの工程は生地1mにつき約417箇所をハンドカットしなければならず、熟練の職人技術があってこそ生まれる非常にクチュールライクな手法の唯一無二の刺繍生地となりました。
幻想的に浮かび上がる蝶を身に纏う。
古くから夢の象徴とされてきたモルフォ蝶を、4種類のボーラー刺繍技術を用いて刺繍テキスタイルへと落とし込みました。
ハシゴボーラー、小格子ボーラー、渡りボーラー、大格子ボーラーを組み合わせることで贅沢な奥行きを生み出します。
夢の中から現実へ滲み出て混沌としている景色を、氷染を用いてテキスタイルへと落とし込みました。
氷染は、製氷機で水と染粉を配合した氷粒を生地の上に配置し、染粉の粒子を熱で時間をかけて溶かして染める技術です。
溶ける速度により、生地に染粉が流れるものもあれば、流れずに固まる箇所もあり、その工程における加減やデザインは全て職人による手作業と感覚によって生み出されます。
収縮刺繍加工の新たな表現を模索し、独自の風合いを生み出した"Inflate"シリーズ。
刺繍の裏糸に収縮糸を使用して縮める事で、立体感と装飾美を演出しました。奇妙な風合いを醸し出しながらも、軽やかに仕上がる"Inflate"のテキスタイルは、夢の世界が膨らんでいくさまを体現します。
夢と現実の狭間で起こる目眩。
村松が撮影した花の写真をグラフィックに落とし込み、美しくも奇妙な瞬間をプリントテキスタイルに仕上げました。
ラメ糸が織り込まれた生地にプリントすることで、グラフィックに立体感を与えるとともに幻想的な世界を生み出しています。